◆ 2025年10月、Windows 10は終わる。でも選択肢はある
2025年10月14日、MicrosoftのWindows 10のサポートが正式に終了します。
セキュリティ更新が提供されなくなることで、サイバー攻撃のリスクが一気に高まり、企業も個人も対応を迫られる状況です。
しかし、すぐに買い替えやアップグレードを迫られるわけではありません。実は、日本国内外でいくつかの「救済策」が存在し、条件さえ整えば1年間のセキュリティ延長を“無料”で受けられるケースもあります。
今「うちはどうすれば…?」と悩む方のために、今回はあらゆる視点から対策を整理。
事実に基づく現状把握と、安心できる選択肢を丁寧にまとめました。
◆ 背景:52%がまだWindows 10、日本だけの問題ではない
StatCounterのデータによれば、2025年夏時点でも世界で52%以上のユーザーがWindows 10を利用中です。
にもかかわらず、Microsoftは原則として「2025年10月でサポート終了」と明言。
この「切り捨て」に対し、海外では以下のような反発が生じています:
- 米カリフォルニアの男性が「強制買い替えは不当」としてMicrosoftを提訴
- 環境団体が「電子ゴミの大量発生」として撤回を求める声を上げる
- Redditなど掲示板では「やっとESUに登録できた!」「移行できない」と悲喜こもごもの投稿が相次ぐ
日本でも事情は同様で、「中小企業のPC更新が間に合わない」「システム入れ替えにコストがかかりすぎる」といった課題を抱えるユーザーが多数存在します。
◆ 対策①:Microsoft公式「ESUプログラム」で延命できる(ただし条件あり)
Microsoftは「Extended Security Updates(ESU)」という延命プログラムを提供しています。
| ESUとは? |
|---|
| サポート終了後も、最大3年間のセキュリティパッチを提供する有償サービス。個人・法人で利用可能。 |
🔹 無料で使えるケース(主に個人ユーザー)
- 条件:以下を満たす必要あり
- Windows 10 バージョン22H2
- Microsoftアカウントでログイン済み
- 最新アップデートを適用済み
- 設定メニューに「ESU登録」が表示されること
- やり方の例(実体験):
- [設定] → [更新とセキュリティ] → [Windows Update] →「セキュリティ更新の延長」
- ワンクリックで登録完了し、「2026年10月13日まで延長」と表示された(Impressレポート)
- 注意点:
- 「誰でも表示されるわけではない」ため、未対応の環境では表示されないことも
- 無償提供は最長1年まで(以降は有償)
🔹 法人向けの有償ESUプログラム
- 価格例(法人向け1台あたり)
- 1年目:約61ドル
- 2年目:約122ドル
- 3年目:約244ドル(価格は倍々に)
- 配布にはWSUSサーバーなど管理インフラが必要なため、中小規模の組織では導入障壁が高いとの声もあります。
◆ 対策②:Linuxなど代替OSに乗り換えるという選択肢
英The Restart Projectなど環境団体は、Windowsに依存せず、軽量なLinuxベースOS(Ubuntu、Zorinなど)へ移行する選択を推奨。
- 特に古いPCでも動作しやすく、無料でセキュリティ更新を続けられる
- 環境負荷を抑え、廃棄物の削減にもつながる
- ただしOffice系ソフトとの互換性や日本語環境での調整には一定の知識が必要
最近では日本国内でも「PC再生プロジェクト」や「LibreOffice導入支援」などの動きも増えており、自治体や教育現場でLinux活用が進む兆しも見られます。
◆ 日本国内の“救済”はあるのか?―専門家の提言と支援の現状
🔹 IPA(独立行政法人)による公式警告と対策
日本で最も公的かつ権威ある情報機関である「IPA(情報処理推進機構)」は、Windows 10サポート終了に関する明確な警告と対応策の指針を発表しています。
- 警告内容:
- 「セキュリティ更新が提供されなくなることは、サイバー攻撃のリスクを急激に高める」
- 「企業システムの脆弱化、個人情報漏えいなど重大な影響が出る」
- 推奨対応:
- OSアップグレードを基本路線とし、**「移行準備を早期に開始すること」**を強く呼びかけています。
- 周辺機器・業務アプリの互換性も含めて、2025年夏までに計画を立てることが望ましいとの姿勢。
🌀つまり、日本国内においても「そのまま使い続ける」ことは公式には推奨されておらず、明確に“対策が必要”とされています。
◆ 無償延長は本当にできた?―個人ユーザーの体験談
Impress Watchの編集者・樽井秀人氏は、ESU登録の実体験を詳細にレポートしています。
- 条件を満たしていれば、「設定画面に突如ESUの案内が現れた」
- クリックだけで登録が完了し、セキュリティ更新期限が「2026年10月13日まで」と表示された
- 更新後も「見た目は何も変わらないが、裏側ではセキュリティが保たれている安心感がある」と語っています
一方で、ネット上の体験談からは**「表示されない」「登録できない」「なぜうちの環境は対象外?」**と困惑する声も。
これにより、
- 「ギリギリまで使う人」と
- 「早めに見切りをつけてWindows 11に移行する人」
- 「Linuxなど別の道を選ぶ人」
…という三極化が進んでいます。
◆ 考察:これは“技術”ではなく“格差”の問題かもしれない
今回のサポート終了問題は、単なる「OSの更新」や「買い替え判断」といった技術論では済まされない一面があります。
✳ IT格差・情報格差
- 「設定すれば延命できた」のに、その情報が届かず諦めた人も多い
- 自治体や教育現場では、情報不足で“脆弱なまま放置”される可能性もある
✳ 環境と経済のジレンマ
- 「サポート終了=買い替え」が前提になれば、まだ使えるPCが廃棄され、環境負荷と経済的な負担が生まれる
- 海外では電子廃棄物の増加を問題視し、「計画的陳腐化」への批判が強まっている
✳ 対応できるかは“知っているか”にかかっている
- 無償で延長できる制度は存在する
→ でも、それを「見つけて」「設定できるか」が分かれ目 - 誰もが救済されるわけではない現実がある
このように、“救われるか”はスキルや環境、情報へのアクセスに強く依存しており、デジタル時代の「見えない格差」が露呈しているとも言えます。
◆ 今できることと、これからの選択肢
| 状況別 | 今できること | 備考 |
|---|---|---|
| まだWindows 10を使っている個人 | [設定]からESU登録が可能か確認 | 表示が出れば無料延長できる |
| 対象外の場合 | 早めのPC買い替え or Windows 11へのアップグレード検討 | スペック要件を要確認 |
| 法人・学校・中小事業者 | WSUSなどを用いたESU導入の準備 or Linux系導入を検討 | 専門家の支援を受けると安心 |
| 古いPCを捨てたくない人 | 軽量Linux(Zorin、Lubuntu)などの導入検討 | 書き換えで延命できるケースあり |
◆ おわりに:見逃さないで、“あなただけの選択肢”
Windows 10の終わりは、“選択の終わり”ではありません。
むしろ今、必要なのは「情報」と「判断力」です。
- あなたのPCが延命できる条件にあるのか
- 無償対応に乗れるか、それとも別のOSが必要か
- 買い替えの前に試せることが残っていないか
知っていれば、防げる損があります。
知らなければ、支払う必要のない出費が生まれます。
この変化をきっかけに、自分のPC環境や情報リテラシーを見直すこと。
それが最大の“救済策”になるかもしれません。
🔗 参考・出典:
