■ はい、増える可能性は高い。ただし「急激」でも「一夜で変わる」わけではない
日本では少子高齢化・労働力人口の減少という構造的な課題があり、政府も制度改革を進めています。これにより、今後10〜20年で外国人の在留者や労働者数は確実に増える見通しが強くなっています。
ただ、「移民(永住+地域住民としての定住)」「50万人・100万人規模で一気に増大」といった言い方は、制度・人口の伸び方を考えるとやや誇張が入る可能性が高いでしょう。
■ 背景:なぜ増えるとの見方が強まっているのか
1. 日本の人口推移・労働力の減少
日本の将来人口は減り続けると予測されています。特に、労働年齢層(15〜64歳)の人口が大幅に減少することで、経済・医療・介護など社会全体への影響が避けられません。
このまま放置すれば、産業や地域社会が維持できなくなる可能性があるため、「外から労働力を補う」方向に政策が向かうのは、ある意味で自然な流れです。
2. 制度の変化が「受け入れ拡大」の方向
現在、以下のような制度改正・新設が進められています。
- 特定技能制度の拡大(対象分野と受け入れ上限の増加)
- 育成就労制度の新設(技能実習制度の見直し後継)
- 永住者の要件緩和議論
- 国会答弁での「将来的に外国人が社会を支える存在になる」趣旨の発言
これらはすべて、「より多くの外国人を中長期的に受け入れる」方向に動いています。
3. 外国人労働者数の現実的な増加
すでに外国人労働者の数は過去最高を更新しており、製造業・建設・介護・農業・サービス業など、人手不足が深刻な業界を支えています。
今後もこの傾向が続くと見られており、「技能実習」「特定技能」「技術・人文知識」などの在留資格での就労が増加するのはほぼ確実です。
■ 将来の見通し:どのくらい増えるのか?
いくつかの予測では、2040年ごろには日本の外国人居住者の割合が10%を超えるとも言われています。現状(約346万人、総人口の2.7%程度)から見ても、今後15年で倍増・3倍近くに増える可能性もあるということです。
特定技能だけでも、2028年度までに約80万人以上が想定されており、育成就労制度が本格稼働すれば、これをさらに上回る水準になることも予測されています。
■ 注意点:「増える=移民社会」ではない
ただし、ここでいう「外国人の増加」は、必ずしも「移民(=永住者)」の急増を意味しません。いくつかの制約があります。
- 在留資格に応じた条件や滞在期間の制限
たとえば特定技能1号では在留期間が5年までで、家族帯同も認められていません。試験や更新要件もあり、永住への道のりは簡単ではありません。 - 地域社会の受け入れ体制の成熟が必要
制度を作るだけでは不十分で、受け入れる自治体・企業・地域住民の理解や支援体制が整っていなければ、実際には定着しづらいという課題があります。 - 政治的・世論的な制約も存在
急激な変化には反発が生じる可能性があり、受け入れ拡大に慎重な政党・団体・世論も存在しています。法律改正や予算措置には社会的合意が必要です。
■ 考察:どのような変化が予想されるか
短期的には、特定技能や育成就労を活用した「短期〜中期の就労」が主流になり、特定の業界や地域で外国人労働者の存在感が増すと見られます。
中期的には、制度の拡大や一部定住化(特定技能2号、永住許可など)が進むことで、「地域住民としての外国人」の比率が少しずつ高まる可能性があります。
長期的には、「共生社会」の実現が政策目標として明確化され、「多文化・多言語・多民族」を前提とした社会制度(教育、医療、行政支援)が整備される可能性もあります。
■ あなたにとって役立つ視点:変化に備えるために
「移民が増えるのか?」という問いは、制度だけでなく、私たちの暮らしや価値観にも関係するテーマです。
不安や疑問を持つことは自然なことですが、次のような視点を持つことで、より落ち着いて状況を見つめることができます。
◉ 制度の違いを知る
- 技能実習/特定技能/永住/難民…それぞれの制度に目的や条件の違いがあります。
- すべてを「移民」と一括りにしない視点が大切です。
◉ 地域との関係を見る
- 自治体によって受け入れ実態や課題は大きく異なります。
- 自分の地域でどういう支援があるかを知ることが、漠然とした不安を減らします。
◉ 共生のヒントを探す
- 学校や職場、病院などで実際に外国人と接している人たちの声を聞くと、「違い」を越えたつながりが見えてきます。
- 「対立」ではなく「ともに生きる」視点を持てるかどうかが社会の成熟にもつながります。
■ まとめ:未来は決まっていない。私たちがどう向き合うかで変わる
これから日本で移民(または外国人の在留者)が増えていく可能性は高いです。
でもそれは、「一夜で社会が変わる」とか「文化が失われる」といった極端な話ではありません。
制度は段階的に進み、住民との対話や自治体の整備も同時に行われていきます。
だからこそ、過剰に恐れるのではなく、「事実を知る」「関心を持つ」「声を上げる」ことが、
不安を“備え”に変える第一歩になります。
