TGSはE3の後継になれたのか?|Gamescomとの違いと2025年のリアル体験

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■“比較の土俵”がそもそも違う。TGSは「地域×体験型」で進化していた

2025年の東京ゲームショウ(TGS)は、来場者数・出展社数ともに大幅な増加を見せ、「E3の後継か?」という視線も集まりました。しかし、実際のレポートや体験者の声から見えてくるのは、TGSがE3やGamescomとは異なる“方向性”で強みを再定義しようとしていたという姿です。

E3が消滅し、Gamescomが“グローバルショーの主役”に浮上するなか、TGSが向かったのは**「日本市場への深い親和性」「試遊・現地体験に特化した構成」**という独自路線でした。

この記事では、ForbesやPlayStation公式ブログ、Gamescom公式発表、専門レポート、個人の体験談などから構成された情報を元に、「TGSは本当にE3の後継なのか?」「Gamescomとは何が違うのか?」という疑問を答えていきます。


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■ 背景|E3消滅とポスト・ショー時代の始まり

E3(Electronic Entertainment Expo)は2023年を最後に実質終了し、2025年には復活の兆しすら立っていません。一方、ドイツのGamescomはE3の空白を埋めるように拡大を続けており、今年も1,500社超が参加するなど勢いを見せました。

その中で注目されたのがTGSの動向です。2025年のTGSは過去最大規模が予想され、**「E3の次はTGSでは?」**という期待も高まっていました。

しかし、結論からいえば、TGSはE3と同じ土俵では戦っていません。むしろ、“アジアのリアルイベント”としての強みを再設計していたのです。


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■ 規模と構成|Gamescomは“国際性”、TGSは“現地密着”

▽ Gamescomの国際展開力

  • 出展社数:1,500超
  • 参加国:70カ国以上
  • 特徴:多国籍・業界向け・トレンド発信

Gamescomは、E3の役割をある程度引き継ぎ、業界のトレンドを世界に伝えるプラットフォームとして拡大を続けています。Midia Researchのレポートによれば、2025年は特に「ハンドヘルド復権」「ノスタルジア系IP復活」「アジア系パブリッシャーの台頭」が目立ったとのこと。

▽ TGSの“現地体験重視”型への進化

  • 出展社数:772社・4,083ブース(予想)
  • 体験型展示に注力(例:電気ショック付きブース、和風演出など)
  • ソニー・スクエニ・セガなど、国内大手の“試遊特化”展示が目立つ

Forbesの記事では、TGS 2025を「もしかすると過去最大級に活気があった年」と形容しつつ、“派手な発表”よりも“体験性”に重きが置かれていたとしています。PlayStation公式ブログでも、Dragon Quest I&IIリメイクや鬼武者の新作など、体験可能なタイトルが豊富だったことが語られています。


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■ 出展企業の姿勢|TGSとGamescomで異なる“見せ方”

▽ Gamescom:中小の国際出展が増加

Gamescomでは、インディーから中規模スタジオの出展が増えており、「トレンド」「多様性」「メディア拡散性」に重きを置いた展示が目立ちます。巨大ステージよりもSNS映えする体験展示が主流になりつつあります。

▽ TGS:国内大手が“世界向け発信の場”に再設定

TGSでは、国内企業が“世界への発信”を意識しつつ、日本のファンとの結びつきを前提とした設計を取っています。たとえばスクウェア・エニックスは「体験ブースと試遊に力を入れた」構成で注目され、カプコンも演出重視の物理ブースを展開。

“日本でしかできない”感覚演出を強めたショーづくりは、TGS独自の存在感を際立たせるものとなりました。


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■ 来場者の体感|“混雑”も“没入”も両方あり

The Sixth AxisのTGS 2025 1日目レポートによると、以下のような印象が伝えられています。

  • 試遊ブースの多さと熱量は圧倒的
  • 物理的な演出(例:振動・電撃・セット演出)が強烈
  • 一方で、待機列や人混みがストレスになる場面もあった

Redditでも「Switchの新作が多く、遊ぶ価値があった」という声が上がっており、来場者の満足度は高かった模様。ただし、混雑のしんどさや、体験重視による“見るより遊ぶ”ショー構成への賛否は分かれていた様子です。

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■ 考察①|TGSが「E3の代役」を目指さない理由

一部では「TGSがE3の後継になるのでは?」という声もありましたが、実際のTGS 2025の構成を見る限り、TGSは“E3の再現”ではなく、むしろ“E3ではできなかった体験”を重視する方向に舵を切っています。

E3は本来、メディア向けの巨大な発表の場でした。新ハード、新IP、大手タイトルのティザーが乱舞し、観るショーであったことが最大の特徴です。

一方でTGSは、**“遊ぶ・触るショー”**として再設計されつつあり、国内IPの魅力や東アジア市場との接点を重視しています。つまり、ショーとしての軸がそもそも異なっており、「代役になる」必要すらない立ち位置を構築し始めたとも言えます。


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■ 考察②|Gamescomとの差異は“情報”と“関係性”

Gamescomは今や、国際展示会としての発信力とデータ分析志向を強めています。2025年の出展では、マーケティング指標やSNS連動施策が多数導入され、「どれだけ拡散されたか」「デモプレイが何秒見られたか」など、定量評価が強調される傾向がありました。

対してTGSは、**“ファンとの物理的距離の近さ”**を重視した戦略で、ローカル市場との深い関係性に軸足を置いています。たとえば:

  • ブース設計が“並ばせる前提”で、長時間滞在が前提の体験型
  • 文化的演出(着物・和風音楽・屋台風ステージなど)による空間づくり
  • 来場者との一体感を優先した運営(プレゼント配布、ミニライブなど)

つまり、**Gamescomが“世界に伝える展示”だとすれば、TGSは“日本から世界とつながる場”**だと言えるかもしれません。


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■ 考察③|E3の役割は分散されたが、TGSには“文化の継承”が残った

2020年代前半、E3はデジタル配信化やコスト高騰によって役割を失い始め、最終的に2023年に幕を閉じました。

その空白を埋めようとしたのが、Gamescom、Summer Game Fest、TGSなど各地域のイベントです。

ただし、E3のような“圧倒的な集中力を持った一大ショー”は今後しばらく現れないと見られています。代わりに:

  • Gamescom:業界のハブとして拡張
  • TGS:アジア文化とIPの発信地として深化
  • SGF:オンラインでの速報性に特化

というように、“役割の分散”が進み、TGSは「アジアの文脈を伝える実地ショー」として存在感を保ちつつあるのが2025年時点での状況です。


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■ 生活者にとっての意味|「誰のためのショーなのか」が分かりやすくなった

一般ゲーマーやファンにとって、これらのショーは単なる発表の場ではありません。

  • Gamescom → 業界・海外トレンドの把握
  • TGS → 自分が触れる/遊べる最新のタイトル
  • E3(過去)→ “発表ショー”としての熱狂

このように、目的が分かりやすく棲み分けされつつある現在、ユーザーにとって「どこに注目すべきか」がより見通しやすくなってきています。

そしてTGSは、少なくとも2025年の時点で「観るより、遊ぶ」「知るより、体験する」スタイルを確立しつつあり、**“ショーの復権”ではなく“フェスの再定義”**という新しい方向に進みつつあるのかもしれません。


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■ まとめ|TGSの独自進化は“代替”ではなく“文化圏の旗振り”だった

2025年のTGSを見てわかるのは、E3の後継になる必要はなかったという事実です。

TGSは日本というゲーム文化の源流を背景に、物理会場だからこそできる体験設計を強化し、「国内市場を軸にしながら、グローバルに発信するショー」へと進化しています。

一方のGamescomは、国際的なショーケースとして規模と発信力を伸ばし、「E3的な役割」の一部を代替している構図です。

E3が消えた今、“1つのショーがすべてを担う時代”は終わり“地域文化や体験設計に応じた多様なショー”の時代が本格化しています。

TGS 2025はその象徴として、これからの「分散型・体験型・文化発信型ショー」の可能性を強く印象づける存在となったのです。

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🔗参考・出典

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