- ■ はじめに:混雑しすぎた京都、「もう行きたくない」の声
- ■ 増加傾向は止まらず、ただし「質」重視に転換へ
- ■ 背景①:訪日外国人はどれくらい増えているのか?
- ■ 背景②:なぜ“京都”に集中するのか?
- ■ 体験談①:「癒しに来たのに疲れる京都」
- ■ 専門家の見解:「質への転換」が必要
- ■ 考察①:「量から質」へ、でも“質”とは誰にとっての?
- ■ 観光地は“愛されすぎて壊れる”のか? 〜京都のキャパシティ問題〜
- ■ 外国人観光客の「質」は上がっているのか?
- ■ 日本人観光客の「京都離れ」は加速する?
- ■ じゃあどうすればいいの? 京都の未来に必要な3つの方向性
- ■ 考察②:京都は「行きたい場所」であり続けられるか?
- ✅ まとめ:増え続けるインバウンド、その先にある選択
- 🔗参考・出典
■ はじめに:混雑しすぎた京都、「もう行きたくない」の声
「京都って、外国人ばかりで疲れる…」
こんな声を、ここ数年でよく耳にするようになりました。
SNSやブログ、調査記事を通じて見えてきたのは、**「日本人の京都離れ」と、「外国人観光客の急増」**という二重の現象です。
2024年以降、コロナ禍からの観光回復が本格化し、京都にはかつてないほどの外国人が押し寄せるようになりました。
では今後、この流れはさらに加速するのか? それとも、何らかの「抑制」や「変化」が起きるのでしょうか?
本記事では、専門家の見解・政策・現地体験の声をもとに、京都に訪れる外国人観光客の未来をわかりやすく整理します。
■ 増加傾向は止まらず、ただし「質」重視に転換へ
まず結論から言えば、
「外国人観光客は今後も増え続ける可能性が高い」
というのが、政府・経済機関・観光業界の共通認識です。
しかしその一方で、
「無制限の量的拡大ではなく、滞在単価や質を高める方向へ政策転換が進んでいる」
という点も、重要な前提として見落とせません。
つまり、「数」は伸びつつも、増え方や集中の仕方には変化が求められているのです。
■ 背景①:訪日外国人はどれくらい増えているのか?
- 2005年:訪日外国人約673万人
- 2019年(コロナ前ピーク):3,188万人
- 2023年:2,500万人超へ回復
- 2025年予測:3,500万人以上
さらに政府は、
→ 「2030年までに6,000万人」
という数値目標も掲げており、政策的にも「観光立国」路線を加速させています。
🌀この背景には、インバウンドが地方経済を支える柱として期待されている構図があり、観光業のGDP比率も徐々に上昇しています。
■ 背景②:なぜ“京都”に集中するのか?
訪日客が京都に殺到する理由は複数あります:
- 歴史的・文化的資源が豊富(清水寺、金閣寺、祇園など)
- インスタ映えスポット(伏見稲荷の鳥居、嵐山の竹林など)
- 外国人観光客向けの案内や言語対応が整っている
- 「日本らしさ」の象徴的イメージが強い
🌀これらは、旅行代理店のプランやSNSの影響によって強化され、初訪問客が「とりあえず京都へ」という選択をしやすくなっています。
■ 体験談①:「癒しに来たのに疲れる京都」
一般ブログや個人投稿でも、以下のような声が目立ちます。
- 「竹林は人だらけで断念」
- 「バスに乗れず歩いた」
- 「案内も外国語優先で日本人が置いてけぼり」
- 「観光というより、混雑の中で消耗する旅になった」
🌀特にコロナ禍に“静かな京都”を体験した日本人は、現在の混雑に対する落差が大きく、「もう行きたくない」と語る傾向があります。
■ 専門家の見解:「質への転換」が必要
日本総研や首都大学東京などの調査では、今後の観光拡大において次の3点が課題とされています。
- インフラの限界(バス・道路・宿泊施設の混雑)
- 地域住民の反発(騒音、治安、生活圧迫)
- 観光の質的向上(リピーター化、長期滞在化、単価向上)
これらをふまえ、政府や観光庁は「数」から「質」への転換を方針としています。たとえば:
- 人気スポットへの時間帯分散
- 混雑地の予約制導入(祇園などで検討)
- 「第二の京都」候補(高山・金沢・長野)への観光誘導
- 滞在費をかける層を重視したラグジュアリー戦略
■ 考察①:「量から質」へ、でも“質”とは誰にとっての?
観光政策で言われる「質」とは、政府や業者目線では「滞在時間が長い」「たくさんお金を使ってくれる」ことです。
しかし住民や国内観光客にとっての“質”とは:
- 混雑が少ないこと
- 文化的マナーが守られていること
- 地元の雰囲気が保たれていること
──つまり、立場によって“質の意味”がズレているのです。
🌀この「質の非対称性」をどう埋めるかが、今後の京都において避けて通れない課題といえます。
■ 観光地は“愛されすぎて壊れる”のか? 〜京都のキャパシティ問題〜
「観光地の宿命」とも言われるのが、“愛されすぎる”ことによる破綻です。
欧州のヴェネツィアでは、2024年より日帰り観光客に課金する入場税制度が導入されました。
また、スペイン・バルセロナでは、民泊の禁止や観光バスの制限などがすでに進められています。
では、京都は?
- 京都市も2024年に「混雑回避のための時間分散・予約制」導入を検討
- 観光地にトイレを増やし、ゴミ問題や行列緩和に予算を投入
- 地元住民向けの“地元優先バス”構想が一部地域で試行
といった試みが始まりつつあります。
🌀ただし、日本は欧州ほど「制限」に積極的ではなく、まだ“自主規制型”の段階です。
■ 外国人観光客の「質」は上がっているのか?
よく言われる「マナー問題」ですが、すべての外国人がトラブルを起こしているわけではありません。むしろ:
- 言語が通じず、ルールが分からない
- SNSで紹介された「隠れ名所」が混雑に拍車
- 一部の旅行客が悪目立ちするだけ
という背景もあります。
また近年は、高級ホテル・旅館に宿泊し、10万円以上を使う層の割合も増えており、リピーターも多いです。
🌀つまり、“質”の高い外国人観光客も確実に存在しており、全体像を「マナーが悪い外国人」と一括りにすべきではありません。
■ 日本人観光客の「京都離れ」は加速する?
個人ブログ・note・Xなどを見ていると、「もう京都には行かない」「混みすぎて疲れた」といった投稿が2024年以降急増しています。
要因を整理すると:
- 外国人観光客の多さで“異国感”を覚える
- コロナ禍の“空いていた京都”が忘れられない
- 移動のしづらさ(バス・鉄道の混雑)
- 観光地の「日本人向けサービス」が減少している感覚
などが挙げられます。
一方で、「地元の人が戻ってこないと、京都の観光は持たない」という観光業者の声もあり、**“誰のための京都か”**という問いが根底にあります。
■ じゃあどうすればいいの? 京都の未来に必要な3つの方向性
京都が「壊れる」前にできることとして、以下の3つが現実的に検討されています。
① 観光集中のコントロール
- 時間帯による予約制導入
- 地域別での「混雑通知」アプリ活用
- 一部エリアへの訪問数制限
→ 物理的に混雑を分散させ、観光体験の質を保つ
② 観光の多様化・地方分散
- 「第二の京都」として金沢・高山・熊野古道などを紹介
- 地方に外国人観光客を流す政策(旅行会社向け補助)
- 「歩く・泊まる・体験する」スタイルの観光誘導
→ 京都“だけ”に集中しない観光モデルの構築
③ 国内客と外国人客の共存設計
- 日本語+外国語の案内の併記ルール
- 地元優先券や“静かな時間帯”の設定
- 地元客と触れ合えるイベントや体験型サービスの充実
→ “外国人観光地”になりすぎない京都を守る
■ 考察②:京都は「行きたい場所」であり続けられるか?
京都という街は、1000年以上の歴史と文化を誇り、“誰かにとって特別な場所”であり続けてきました。
しかし、もしこのまま外国人に偏りすぎ、国内客や住民が「行きづらい」「疲れる」と感じ続ければ、
“憧れの京都”が“疲れる場所”に変わってしまう危機
に直面します。
「誰もが訪れたい場所」であり続けるには、
単に観光客を“減らす”のではなく、
どう滞在してもらうか、
どう住民と共存するかを設計し直す必要があります。
✅ まとめ:増え続けるインバウンド、その先にある選択
| 論点 | 要約 |
|---|---|
| 外国人観光客数 | 今後も増加が予測され、政策的にも後押しされている(6000万人目標) |
| 京都の現状 | 混雑・疲労・観光客偏重で日本人離れが進行中 |
| 政策の方向性 | 「量から質へ」「地方分散」「混雑制御」「文化的共存」へとシフト中 |
| 今後の鍵 | 制御の有無、住民・国内客との共存、観光の“再設計” |
🌀京都はまだ、間に合います。
「世界に誇る文化都市」として、**“行きたいと思わせる京都”**を再定義するタイミングが来ているのです。
