絶対BLになる世界で、恋愛以外のことを学んだ話

この記事は約6分で読めます。
スポンサーリンク

▷この記事で伝えること

  • 「絶対BLになる世界」って何?なぜ話題?
  • 実写化・スピンオフ・海外人気まで!展開の裏側
  • “なぜ非現実のはずが共感されるのか”を心理と文化から考察

スポンサーリンク

はじめに:その世界は、恋愛フラグだらけだった。

もし、自分が住む世界が「BL漫画の世界」だったら――
気づいてしまったら、あなたはどうする?

本作『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』は、まさにその問いから始まる。
ごく普通の男子大学生(通称:モブくん)がある日突然、「ここってBLの世界じゃね?」と気づいてしまい、そこから必死に“BL展開”を回避していくという、異色のメタフィクションギャグである。

この作品がここ数年、静かに、しかし確実に熱狂的ファンを増やし続けている。

しかも日本だけじゃない。
英訳版の出版、3期にわたる実写ドラマ化、そして2025年にはついに地上波ファイナル放送――「絶対BLになる世界」は、ただのネタにとどまらないカルチャーになりつつある。


スポンサーリンク

1. 絶対BLになる世界って、どんな話?

まずはざっくりと内容紹介から。

■ 世界設定:ここは“BL世界”である

  • イケメンの密着 → 恋愛フラグ
  • 体育倉庫での二人きり → 強制イベント
  • 鈍感系×ツンデレ、義兄弟、学園の王子様…
    → **「あ、これ絶対BL展開くるやつじゃん」**の連続。

主人公(あえて“モブ”として描かれる)が、こうした“フラグ”を読み解き、全力で回避するのが本作の基本構造である。

■ 主人公の特徴

  • 平凡で特徴のない顔(作中でも「顔面偏差値の圏外」と言われる)
  • 客観的に世界を分析するメタ認知力の高さ
  • 弟がガチのBLカップル(しかも幸せ)

そんな彼が、BL展開に巻き込まれないように日々「感情移入しない」「イベントには近づかない」などの工夫を凝らして生きる。

でも、なぜか周囲の“BL空間”はどんどん濃くなっていく…。


スポンサーリンク

2. 人気の背景:ギャグと愛とメタ構造

この作品が注目された最大の理由は、**“BLギャグなのに愛がある”**という点だ。

● BLへの敬意とツッコミの絶妙バランス

  • BLあるあるをいじるのではなく、「あ〜こういうの、BLでしか起きないよねw」という形で、“理解者”としてのツッコミが入る。
  • 作者・紺吉さんのインタビューでも、「BLを茶化してるのではなく、愛と視点を込めて描いてる」と明言されている。

● ギャグがメタで深い

  • 「俺は脇役。だから恋愛フラグには乗らない」
    → 読者がしばしば感情移入する“空気キャラ”が、物語の中心に据えられるという逆転構造。
  • 「“普通の自分”を守ろうとすればするほど物語が動く」
    → この矛盾が爆発的に面白い。

● 実写ドラマ版も評価高し

  • 実写化第1期(2021年)~第3期(2024年)まで継続、そして2025年にはファイナルが放送決定。
  • 主演の犬飼貴丈が主題歌も担当し、作品愛に満ちた展開が好評を博している。
スポンサーリンク

3. 考察:なぜ「絶対BLになる世界」が“刺さる”のか?

本作の魅力を支えているのは、単なるBLネタの面白さではない。
もっと深いレベルで、「自分には関係ないと思っていた物語」に、なぜか共感してしまう構造がある。


◆ 非当事者の“疑似当事者化”が生む共感

『絶対BLになる世界』の主人公は、「自分はこの世界の主役じゃない」と自認する“モブ”キャラ。
でも、そんな彼が“恋愛漫画的な力学”に巻き込まれていくことで、**読者自身も「物語に対する当事者感覚」**を持ち始める。

→ たとえば、

  • 「自分には関係ないはずの“恋バナ”に巻き込まれる戸惑い」
  • 「世界が都合よく動いてるように見えるのに、自分だけ違うと感じる距離感」

これは、青春や恋愛に苦手意識があった人ほど、「あれ、自分もそうだったかも」と引っかかる感覚だ。


◆ 面白さの裏にある“構造のズレ”

「なぜこの作品は面白いのか?」を構造的に見ると、以下のズレが見えてくる。

見せかけ実際のズレ
BLの世界主人公はノンケ/モブ
恋愛のフラグ主人公は逆にフラグを回避しようとする
主人公になりたい主人公は“モブのままでいたい”
トキメキ展開ギャグと冷静な観察で逆走する

このズレが“笑い”を生み出しつつ、「自分だったらどうする?」という感情を引き起こす。
だから読者は、“非現実な世界”にもかかわらず、共感してしまうのだ。


◆ 心理学的視点から見るフィクションの魅力

心理学者 Keith Oatley 氏は、フィクションは“社会的シミュレーター”であると述べている。

つまり、

  • 物語を読むことで、自分が経験していない人間関係や状況を、安全な仮想空間で追体験できる。
  • 特に『絶対BLになる世界』のような「メタ的で非日常的」な設定は、より強く注意を引き、共感や学習を促す。

さらに2022年の研究(Dubourgら)では、物語に含まれる“面白さ”=進化的に最適化された注意喚起の装置だとされている。

→ 「非現実だからこそ、面白くて学べる」
→ 「ギャグやBLが“装置”となって、人間の感情や構造理解に迫ってくる」

そう考えると、『絶対BLになる世界』は単なるジャンルネタを超えた、「進化型の感情シミュレーター」とも言えるかもしれない。


スポンサーリンク

4. まとめ:僕らはなぜ“BL世界”に惹かれてしまうのか?

『絶対BLになる世界』は、突飛な設定と笑いの中に、“誰しもが持つ違和感”や“なりきれなさ”を丁寧にすくい上げてくれる。

  • 自分は主役になれないかもしれない。
  • 自分には恋愛なんて向いてないかもしれない。
  • でも、それでも、物語に巻き込まれる日がくるかもしれない――

そんなふうに、自分ごととして世界を捉え直す体験が、この作品にはある。

BLだとか、ジャンルだとか、そういうことを一度忘れて。
「物語って、誰のためにあるんだろう?」と考えたとき、
その隙間からこぼれてくるのが、この“絶対BLになる世界”の、ちょっと不思議で、温かい魅力なのだ。


スポンサーリンク

🎯まとめ

  • 『絶対BLになる世界』は、BL世界を“回避”する主人公によるメタギャグ漫画
  • ギャグの中に、読者自身の“主役じゃない”感覚をすくい上げる構造あり
  • 心理学的にも「フィクション=共感訓練」として効果があり、非現実の物語が“自分ごと”に変わるメカニズムがある
  • 非日常だからこそ、現実の自分を見つめ直せる “笑って泣けるメタエンタメ” である

🔗 参考・出典

タイトルとURLをコピーしました