▷この記事で伝えること
- 「友達価格」の断り方に悩む人が増えている背景とは
- 実際に断った/断れなかった人の体験談と反応
- 専門家が示す“値引き=友情”という誤解の危うさ
- 感情的なしこりを残さない断り方テンプレ
- 「友情」よりも「尊重」を大切にする視点の再提案
■ なぜ“友達価格”が問題になるのか
「友達だから安くして」「え、これって友達価格でしょ?」
そんな一言に、もやっとした経験がある人は少なくありません。
とくにフリーランスや個人でサービス・モノを提供する人にとって、価格交渉は“自分の価値”と直結する問題。実際、X(旧Twitter)でも「友達価格で頼まれて辛かった」「断れなくて消耗した」といった投稿が日々見られます。
近年は「スモールビジネス」「副業」が増えたこともあり、“身近な人にこそ価値を伝える”という難しさが浮き彫りになっています。
■ 実体験:断った人・断れなかった人のリアルな声
● 食品メーカー「サイトウハム」の投稿(2025年)
愛知県の食品ブランド「サイトウハム」は、SNSで「友人から“友達価格でお願い”と言われたが、断った」と公表。
理由は「正規価格で応援してくれている友人もいるから」。この投稿は大きな反響を呼び、「プロ意識がすばらしい」「それが正しい友情の形」といった賞賛が寄せられました。
→ このケースでは、“平等性”を強調することで角を立てずに断る形に成功しています。
● 美容師・平井浩介さんのnote(2025年)
平井さんは、自身が友人に半額で提供していたことを回想。
しかし「その友人の紹介で来た人にも同じ価格で頼まれる」ようになり、結果的に「自分の技術が軽視されている感覚」に。以後は、「割引は明確な理由があるときだけ」と決めたと語ります。
→ 値引きが“当然”になると、友情の枠を超えて自分の仕事そのものが安く見られてしまう危険があります。
● 自宅撮影業の女性(知恵袋投稿)
自宅で撮影サービスをしている女性は、旧友から「記念写真をお願い」と言われ、基本料金だけをもらってオプションを無料で対応。
ランチを用意したりギフトを渡したが、相手の表情に“もっと安くできたのでは?”という空気が見えてしまい、「どこまでが友情で、どこまでがビジネスかわからなくなった」と投稿。
→ 気を遣えば遣うほど、相手との心理的ギャップが見えてしまうというリアルな葛藤です。
● Threadsの投稿者:「正規料金でお願いします」
あるユーザーは「来てくれたからおまけしますね〜」とサービスされそうになり、「正規料金で払いたい」と返答。
理由は「安くされると、次また行きづらくなるし、応援したい人には正しい対価を払い続けたいから」と語っています。
→ これは逆に“断られる側”が、誠実に相手を尊重している好例と言えるでしょう。
■ 専門家の視点:なぜ断りにくいのか、なぜ断るべきなのか
● 断れない心理:「友情」=「サービスしてくれるはず」
多くの人が“断れない”のは、「断ったら嫌われるかも」「ケチだと思われるかも」という恐れです。
しかし専門家はこう語ります。
「友達価格を求めてくる人は、“あなたの技術やサービスを安く見積もっている可能性がある”。そうであれば、それは真の友情ではなく“利用”です」(佐佐野健/フリーランス経営支援者)
また、「断ることで関係性が壊れるようなら、それまでの縁」と言い切ることで、精神的なラインを明確にすることも勧められています。
■ よくある質問:「そんなに高いの?」と言われたら?
友達や知人から「え、高くない?」「それ、他の人にはいくらでやってるの?」と聞かれることもあります。
ここで大切なのは「価格=価値」だと伝えること。
安くしてしまえば、「安い人」として扱われるだけでなく、今後もそのラインが基準になります。
→ あなたの知識・経験・時間には「目に見えないコスト」が含まれています。これを軽く見られてしまうと、やりがいだけでなく自尊心も損なわれてしまうのです。
■ 状況別・断り方テンプレ5選
① やんわりと断る場合(旧友・関係維持したい)
「気持ちはすごくうれしいけど、価格は統一してるんだ。だからこそ全力でやれるんだと思ってるんだ」
→ 感情の受け取りはしっかりしつつ、“プロ意識”という軸で説明。
② はっきりと断る(繰り返し交渉される相手)
「申し訳ないけど、ビジネスとしてやってるから特別扱いはしていないんだ。応援してもらえると嬉しい」
→ 情の空気に押されないよう、「線を引く」意識が大事。
③ フレンドリーな返し(距離が近い相手)
「え~友達価格なんてないよ!その分、ちゃんと責任もってやるから安心して!」
→ ユーモアで切り返すことで場の空気を悪くしない。
④ 対価+αでの応援案を提示(相手が本気なら)
「もし応援したいって思ってくれてるなら、紹介してくれるとすごく助かる!そっちの方がうれしいかも」
→ 値引きの代わりに「協力」をお願いするスタイル。
⑤ 事前に価格表を見せておく(予防策)
「基本的にこれが料金体系なんだ。友達にもこれでお願いしてるから、安心して頼ってね!」
→ 事前提示しておけば、交渉の余地を減らせる。
■ 考察:友情とプロ意識は両立するのか
「友達価格」問題が浮き彫りにするのは、「友情=おまけ」「関係性=割引」といった無意識の価値観です。
ですが、それは必ずしも“優しさ”ではなく、“相手の仕事への敬意の欠如”になることもあります。
本当に信頼できる友人であれば、
- 正規価格で支払う
- 応援として口コミする
- 評価を伝える
といった形で「支える」意志を示してくれるはずです。
逆に、「友情だから安くて当然」「付き合いだからやってよ」と言われ続ける場合、それはあなたの専門性や努力を“無償労働”として見ている可能性も。
■ 「友達だからこそ、ちゃんと払いたい」
最後に紹介したいのが、Threadsの投稿者の一言。
「応援したい人には、ちゃんと正規料金を払いたいんです。安くしてもらうと、次行きにくくなるから」
この言葉は、「対等な関係」と「誠実な応援」のあり方を教えてくれます。
友情とは、“甘える”関係ではなく、“敬意を払う”関係でもあるのかもしれません。
🎯まとめ
- 「友達価格」は、友情を試すリトマス紙のようなもの。
- 断りにくさの正体は「相手の期待」と「自分の評価」への不安。
- 断ることで“敵”になる人は、元から“味方”ではなかった可能性も。
- 価格よりも“気持ちの伝え方”が大切。丁寧に言葉を選ぼう。
- 真の友情は、“おまけ”より“尊重”で育まれる。
