「会員なのに、入店を断られた」
「早朝の静けさを取り戻せた」
「コストコまで“格差社会”がやってくるのかも…?」
アメリカのコストコで始まった“早朝アクセス特典”が、今ちょっとした波紋を呼んでいます。
静かに進行していたこの制度。ところが9月1日、正式に「エグゼクティブ会員(年会費約18,000円相当)」だけが朝9時に入店可能というルールが発動。SNSでは喜び・戸惑い・怒りが交錯する事態となりました。
本記事では、この制度がどんな背景で生まれたのか、日本でも導入される可能性はあるのか、専門家の意見と現地の体験談をもとに考えていきます。
■ 何が起きたのか?──“入店できない会員”の声
アメリカ・コストコでは、2025年9月から一部店舗において「エグゼクティブ会員限定で朝9時に入店できる」制度を正式開始しました(通常は10時〜)。
Executive会員とは、通常の会員(Gold Star)よりも年間費が倍以上である代わりに、2%の還元などの特典がある上位会員です。
これに対し、一般会員は店の前まで来てもドアを閉ざされるような状態となり、SNSでは次のような感情的な投稿が相次ぎました。
「10年以上の会員なのに、今朝は入れてもらえなかった」
「まるで“格下”の扱いをされたみたいで悲しい」
「これが“特典”なら、もう辞めたくなる」
かと思えば、Executive会員からはこうした声も。
「初めてゆっくり買い物できた」
「あの静けさだけでアップグレードしてよかったと思える」
まさに、“喜ぶ者”と“締め出されたと感じる者”の感情が交錯した瞬間でした。
■ なぜ今、“早朝アクセス”なのか?──専門家の見解
この制度は単なるサービスの追加ではありません。経済や戦略の専門家たちは、次のような背景を読み解いています。
● 小売アナリスト(UBS)Michael Lasser 氏の分析
「Executive会員による早朝入店は、ピーク時間の混雑緩和につながる。
また、上位会員の満足度を高めることで、全体の解約率を下げる狙いがある」
● 財務系専門メディア(GuruFocus)の分析
「高額な会費を払うExecutive会員は、年間支出額が通常の2〜3倍に及ぶことがある。
この層を優遇することで、コストコの収益構造を安定させられる」
つまりこれは、“儲けたいからやっている”以上の意味があるということ。
- 店舗運営の効率化(混雑回避)
- プレミアム層の維持(解約防止)
- 会費アップの正当化(“体験の格差”)
こうした経営戦略が、この「たった1時間の優先入店」に凝縮されているのです。
■ 個人の声がリアルすぎる──現地体験とSNSの温度差
実際に現地で起きたことを見てみましょう。
✅ Executive会員の喜び(Redditより)
あるアメリカ在住ユーザーは、初めての早朝入店でこう投稿しました。
「カートも通路もガラガラで、スタッフも穏やか。
もうこれがコストコの“本来の姿”なんじゃないかと思ったよ」
この投稿には多数の「うらやましい」「静かに買えるって最高」などのコメントが並びました。
❌ 一般会員の困惑(Business Insider体験レポート)
一方、9:00ぴったりに到着した一般会員は、スタッフに止められこう語ります。
「誰からも事前に説明されなかった。
10年以上通ってるのに、急に“お断り”されるなんてショックだった」
この違い──実は、事前の情報周知不足が大きく影響しているとも考えられます。
■ これは“格差”なのか、“配慮”なのか?──制度の本質を考える
いま多くの消費者が混乱するのは、「会員」であることが、**“同じ条件ではない”**と突きつけられた瞬間です。
これまでコストコは、「一律・公平・大量購入による得」を提供してきた存在でした。
それが今、**“階層感”**をにじませるような制度を打ち出した──
そこに、戸惑いや怒りが生まれているわけです。
ですが、それは本当に“格差”なのでしょうか?
▶ エグゼクティブ制度自体は以前から存在している
そもそもエグゼクティブ会員には、年会費は高い代わりに
- 購入額の2%が還元される
- 特定のキャンペーンや保険等が使える
といった明確な差別化が存在しています。
つまり、「お金を出して、その分の時間・快適さを買う」構図は、制度設計として一貫しています。
たとえば、
→ 映画館の“プレミアムシート”
→ 高速道路の“ETC優先レーン”
→ 空港の“ラウンジサービス”
と同じような仕組みであるとも言えるでしょう。
それが「コストコにも来た」──ただそれだけかもしれません。
■ では日本にも来るのか?──2つの信頼ある専門ソースから予測
まだ日本のCostco(コストコホールセールジャパン)から公式な発表は出ていませんが、以下の信頼性あるメディアがヒントを与えてくれます。
📌 出典①:ロイター(Reuters)
「コストコジャパンは2030年までに店舗数を2倍に拡大。滋賀、沖縄など地方出店も進む」
「時給1500円以上の待遇が地域経済に好影響」
→ 地方展開と混雑緩和は今後の大きな課題に。
→ アメリカで成果が出れば、“時間での分散入店”として導入される可能性は十分にある。
📌 出典②:btrax(マーケティング会社)
「日本のコストコは徹底した“ローカライズ戦略”をとっており、大型寿司・チキン・コストコフェアなど日本文化に最適化」
→ 顧客満足や“導線”を重視する姿勢あり。
→ エグゼクティブ限定の“時間的快適性”も、“優遇”ではなく“体験改善”として導入される可能性がある。
つまり──
日本でもいずれ導入される可能性はあるが、
「格差的に導入」ではなく「行列・混雑対策」としてローカルにアレンジされる可能性が高い、ということです。
■ 最後に:あなたが選ぶ「コストコとの関係」
コストコは、家族の週末、職場のまとめ買い、引っ越し前の準備──
私たちの“生活の一場面”を支えてきた存在です。
だからこそ、そのあり方が変わる時、人は強く反応するのだと思います。
「格差がイヤだ」という人も、
「快適に買い物したい」という人も、
どちらの声も本物です。
企業は、すべての顧客を満足させることはできません。
けれど、「不満があるのは、自分が無視されたからだ」と思わせてしまうと、その関係は壊れてしまう。
いま、コストコという場所で起きていることは、
消費と信頼と、そして“居場所”のあり方を問い直す機会なのかもしれません。
🔗 参考・出典:
- Costco started opening early for executive members a month ago. Now I wish they’d done it sooner.(Business Insider)
- Costco COST Enforces New Shopping Hours for Executive Members(GuruFocus)
- Costcoの高時給が日本の地方経済を活性化(Reuters)
- Costcoが日本市場で成功した理由(btrax)
- Executive members entering Costco at 9am be like…(Reddit)
