「逃げた方が得」構造の裏側へ|技能実習制度を逆手に取る“合法ふう不法移民ビジネス”の実態

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✅ はじめに:なぜ“逃げた方が稼げる”のか?

「技能実習生が失踪した」というニュースを見かけたとき、多くの人はこう思うかもしれません。
「待遇が悪かったのかな」「制度の闇だな」……と。

確かに、実習先でのパワハラ・賃金未払い・転籍の自由がないといった制度上の問題が、失踪の一因であることは事実です。
しかし、近年注目され始めているのが――**「あえて失踪させ、不法就労へ誘導するビジネス構造」**の存在です。

表向きは合法的に入国してくる実習制度。
けれど、その“裏側”には、「合法ふう不法移民」を仕立て上げるネットワークが、水面下で機能しているのではないか。

この記事では、その可能性と構造を、多角的に見ていきます。


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▶ 背景:技能実習制度は“逃げやすい構造”になっている

まず前提として、技能実習制度そのものにいくつかの構造的な“ほころび”があります。

問題点内容
● 実習先の選択肢がほぼない来日前に配属先が固定。途中変更には大きなハードル
● 給与水準が最低賃金ギリギリ生活費を引くと、借金返済に回せるお金は少ない
● 逃げた先の方が稼げるケースも不法就労ながら月20〜30万円得られる職場が存在

そして一度失踪すると、正式な在留資格は失われますが、「働くこと自体」は案外難しくない現実があります。

  • 名前を変えて別の現場で働く
  • SNS経由でブローカーから仕事を紹介される
  • 雇用者が在留カードの有効性を確認していない/黙認している

これらが組み合わさることで、**「失踪=不法化=闇ビジネスへの流入」**が、意図せず(あるいは意図的に)成立してしまうのです。


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▶ 実例:逃走先が“用意されていた”ようなケースも

失踪者の証言には、以下のようなパターンが多く報告されています。

「Facebookで知人に“逃げた方が稼げるよ”と誘われた」
「紹介料として3万円払えば、月25万円の仕事を斡旋すると言われた」
「逃げたあと、同国人のグループがアパートと仕事をすぐ用意してくれた」

ここでのポイントは、「逃げたあとも生活が整う」構造がすでに準備されていた可能性があるという点です。

このような“予め仕組まれた失踪”の存在は、以下のような疑念を生みます:

  • ● 失踪は制度の“副作用”ではなく、最初から計画された一手段ではないか?
  • ● 「合法入国 → 逃走 → 不法就労」という流れを、制度の中に組み込んで収益化している者がいるのでは?

これが、いま問題視され始めている「合法ふう不法移民ビジネス」の入り口です。


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▶ 枠組み化された“失踪ルート”の可能性

次に、実習制度のどこに「斡旋ビジネス」が入り込める余地があるのかを整理してみましょう。

🧩 構成例:

  1. 出国前:母国の送り出し機関が“逃走ルート”まで含めて準備
     - 表向きの契約書を交わしながら、裏では「逃げた後の紹介先」も説明
     - 紹介料・通訳料・借金として“あとで回収”を約束
  2. 来日後:SNSや知人づてに“逃走指南”が広まる
     - Facebook、Zalo、WhatsApp などで「月25万稼げる現場がある」と誘導
     - 実習先での不満が強くなると、その誘導に乗りやすくなる
  3. 失踪後:非正規の人材ブローカーが職場を斡旋
     - 工場、建設、農業、夜間清掃などの人手不足現場
     - 雇用側も「書類は不要」「現金手渡しOK」などで黙認
  4. 住居・ネットワーク:外国人コミュニティ内で保護される
     - 知人アパートに転がり込み、家賃も共同支払い
     - 宗教・文化の同胞コミュニティが“避難所”になることも

これらは「個人のつながり」に見えて、実際には“緩やかな斡旋ネットワーク”になっている場合があるのです。


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▶ 既得権益としての“逃走市場”?

さらに構造的な問題として、こうした流れが一種の“ビジネス”として根付いている可能性も考えられます。

背景内容
● 人材派遣業の裏側登録制ではなく、闇ルートからも人を集めている“影の派遣業者”が存在
● 偽造書類の流通在留カード、健康保険証などの偽造を請け負うブローカーも出現
● “逃げやすい制度”の逆利用本来の目的(技能移転)とは関係ない移民化ルートに転用されている
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▶ 取り締まりが“機能しない”のはなぜか?

日本政府も、技能実習制度をめぐる失踪や不法就労の問題は把握しており、改善に向けた方針も打ち出しています。
しかし、なぜ構造的な“抜け道”が温存されたままになっているのでしょうか?

理由1:制度の監督主体が多すぎる

  • 入管庁、法務省、厚労省、外務省、出入国在留管理庁、民間の監理団体、送り出し機関…
  • 各主体が「部分的責任」しか負わず、全体を制御する司令塔が不在

理由2:ブローカー構造が制度の“外側”にいる

  • 不法就労の斡旋者は、制度上の団体(監理団体・登録支援機関)ではない
  • よって、制度改革の中では直接的に摘発・抑止できない

理由3:受け入れ企業も“グレーゾーン”を利用

  • 「人手が足りない」「多少書類に不備があっても雇いたい」
  • 結果として、在留カードの有効性チェックや報告義務が形骸化する例も

つまり、“制度内の責任者”と“制度外の実行者”が分離しているため、全体像の把握も対策も困難なのです。


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▶ 本当に“やむを得ない失踪”だけなのか?

ここで改めて考えたいのは――
「制度が悪いから失踪せざるを得ない」という説明は、どこまで真実か?
という視点です。

もちろん、劣悪な環境で働かされ、逃げ出すしかなかった実習生は数多く存在します。
ですが一方で、

  • 「逃げた方が儲かる」と誘導されていたケース
  • 初めから“逃走ルート”が計画されていたような入国
  • 失踪を“選択肢”として考えていた様子

も散見されます。

これは、「逃げるのが悪い」と言いたいのではありません。
問題は、“やむを得ず逃げた人”と、“逃げることが前提だった人”が、同じ構造の中で見分けがつかなくなっているということです。


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▶ 「善意の制度」が“温床”になる皮肉

制度の理念自体は立派です。

「母国への技術移転」
「日本と途上国の架け橋」
「実務を通じた育成」

しかしその“善意の建前”が、斡旋ビジネスにとっては都合の良いカバーフレーズになる構造もあります。

表の顔裏の使われ方
技能実習の名目で来日実際は出稼ぎ目的/不法就労ルートへの布石
監理団体による支援書面だけで機能していない団体も存在
送り出し機関の技術教育実際は借金と契約による“囲い込み”

このギャップが埋まらない限り、制度の「合法的な入口」は、“不法化の温床”として使われ続けてしまう恐れがあります。


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✅ 考察:この構造は誰の利益になっているのか?

ここで冷静に立ち止まってみましょう。
“逃げる構造”を放置することで、誰が得をしているのか?

プレイヤー得られる利益
● 闇ブローカー紹介料・住居費・仲介手数料など
● 受け入れ企業安価かつ即戦力の労働力確保
● 一部の監理団体表面上の管理で報酬が発生
● 国の制度運営側一応の「実習制度枠」は保たれ、表向きの実績になる
● 本人(短期的)実習よりも高い収入が得られる可能性

つまり、搾取されながらも「全員がちょっとずつ得をしている」構造が出来上がってしまっている。
だからこそ、この構造は崩れにくく、曖昧なまま維持されているのです。


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🔚 まとめ:可視化されない“グレーな仕組み”をどう見るか

「失踪=制度の犠牲者」という見方は一面の真理ですが、
「失踪=構造的に仕組まれた流通ルートの一部」であるという視点も、いま必要とされています。

なぜなら、制度だけを整えても、その外側で動くネットワークが存在し続ける限り、“逃げても働ける構造”は温存されるからです。

この問題に対して私たちができることは、「善悪」だけではなく「構造」として理解し、
誰がこの仕組みを支え、誰が利益を得ているのかを見つめることかもしれません。

🔗 参考・出典

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