❓ある日突然、LINE APIが動かない──そのときどうする?
「BOTが返事しない…」
「Webhookが届かない…」
「開発者コンソールの通知も来ない…」
LINE Developers API を使って開発やサービスを提供している人なら、一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?
実はここ数年、LINEのAPIや開発者コンソールでは複数の障害やトラブルが発生しており、サービス影響を受けた事業者・開発者も少なくありません。
本記事では、LINE公式の障害報告・専門家の知見・個人開発者の体験談をもとに、
- 過去にどんなトラブルがあったのか?
- どう対応すべきだったのか?
- 今後のために準備できることは何か?
を、わかりやすく整理してお伝えします。
🔎事例1:2024年11月の全体障害 ─ LINE Platformが丸ごと停止
◆発生日
2024年11月18日
◆影響範囲
- LINE Login
- LIFFアプリ
- Messaging API(BOT)
- LINE MINI App
◆事象概要
LINE Platform全体で広範囲な障害が発生。API経由でのログインやWebhookの受信が停止し、開発者コンソールも断続的に不安定となりました。
◆原因(公式発表)
「内部システム処理の一部に高負荷が集中し、APIの応答不能状態が発生した」と発表されています。
◆公式の復旧対応
- 障害報告(Outage Report)で即時報告
- 約3時間で復旧
- 開発者向けにAPI Statusページを通じて復旧通知
🔎事例2:2023年12月のInsight API停止 ─ 分析機能に影響
◆発生日
2023年12月12日
◆影響範囲
- Messaging API Insight(送信・配信分析)
- BOTのリーチ・応答率確認機能
◆事象概要
BOTの分析データ取得が不可能になり、定期レポートや通知の自動化処理などに遅延・欠損が発生。
◆公式対応
- 開発者向け通知は遅め
- 利用者からの報告によりSNSで先行して情報が拡散
- 約1日後に復旧
🔎事例3:2025年6月のメール送信障害 ─ コンソール機能が無力化
◆発生日
2025年6月19日
◆内容
LINE Developers Console から送信される「認証メール」「変更通知メール」などが一時的に配信されない状態に。
◆影響範囲
- 新規開発者登録の認証ができない
- ボット権限の変更通知が届かない
- 外部チームとの連携に支障が発生
📚このような障害がなぜ繰り返されるのか?
◉構造的な理由(専門家の指摘)
- 分散アーキテクチャの複雑化
→ すべてのサービスが内部的に接続されており、ひとつの障害が波及しやすい。 - 通信集中/DoS的な挙動
→ イベント連携が爆発的に発生するキャンペーン時など、負荷集中による応答不能が起きやすい。 - 障害検知の遅延
→ 外部開発者が使うAPIでも、復旧報告より先にSNSでの報告が出ることも多い。
👨💻体験談:実際にトラブルに巻き込まれた現場の声
🧪ケース①:開発現場の混乱とSlackへの通知連携
「ある朝、BOTが動かない。ログも出ない。チームは大慌て。
原因がわかるまでの1時間、サポートも対応不能でした。
結局、LINE側の障害だったと知ったのはTwitter経由。」
(開発チーム:Medium投稿より)
→ 事前に「LINE API Status」をSlack通知設定しておけば、対応がもっと早くできたと後悔。
🧪ケース②:API障害時のHTTPレスポンス処理に悩む
「APIが落ちたとき、返ってくるステータスが200なのか503なのか曖昧で、
フロント側の処理が誤動作しました。エラー判定の条件設計を見直すきっかけになりました。」
(個人開発者:Stack Overflowより)
→ 障害時にはHTTP 503(Service Unavailable)や429(Rate Limit Exceeded)を明示的に扱う設計が重要。
🛠 今すぐできる!トラブルに備える「5つの対策」
過去の事例から見えてくる共通の教訓は、**「障害は想定しておくしかない」**ということです。
では、具体的に何を備えておけばいいのでしょうか?
✅ 対策①:「LINE API Status」を監視しておく
- LINE API Statusページ は、LINE公式がリアルタイムで障害情報を発信している唯一のソース。
- RSSや通知サービス(IFTTT / Slack連携)で自動受信すると、早期対応に繋がる。
✅ 対策②:リトライ処理をしっかり実装
- 一時的な応答不能やネットワーク障害には、指数バックオフ(Exponential Backoff)による再送処理が効果的。
- たとえば、5秒→10秒→20秒→30秒と段階的に待って再送することで、サーバーへの負荷を減らしつつ処理継続。
参考:Google Cloud や AWS でも推奨される設計パターン
✅ 対策③:HTTPレスポンスを明確に扱う
- LINE APIがダウンしているときに返すステータスコード:
503 Service Unavailable:LINE側が完全に停止している429 Too Many Requests:レート制限(短時間アクセス集中)401/403:認証トラブル
→ これらのコードに応じて、UI表示や通知文言を出し分けることがUX向上にもつながる。
✅ 対策④:「ユーザー向け案内」も準備しておく
- 障害時に「うちのアプリだけ壊れたのでは?」と思われないために、
- ステータス確認リンクを明示
- 「現在障害が発生中です。復旧次第自動で再開されます」といった案内テンプレート
- 事前に用意しておくだけでも、パニックを防げます。
✅ 対策⑤:事後振り返りと再発防止
- 「障害が起きたことを忘れない」ことが、最大の教訓。
- Mediumで紹介されたように、**チームで振り返りレポートを残す(Postmortem)**のが有効。
- 何が起きたか
- どこで気づいたか
- 今後改善できることは何か
→ 振り返りがあるチームは、次のトラブルに強くなります。
💡 よくある“誤解”と“盲点”
| 誤解・盲点 | 実際の対応・解釈 |
|---|---|
| APIが落ちたら、こちらの実装が悪い | → まずは LINE API Status を確認。自責か他責かを判断 |
| APIが応答してるから正常 | → ステータスコードが 200 でも中身がエラーのケースあり |
| 障害は稀だから気にしなくていい | → 年に数回は定期的に発生。リスク前提で設計すべき |
| エラー時に無限リトライしてしまう | → → スロットリング・指数バックオフが必須。過負荷防止にもなる |
✍ 最後に:APIは「信用」ではなく「想定」で守る
LINE APIは便利で強力ですが、どんなに信頼性が高くても絶対に落ちないAPIは存在しません。
だからこそ、過去の事例に学びながら、
- 冷静に判断できる仕組み
- ユーザーを安心させる案内
- 技術的なレジリエンス設計
を事前に用意しておくことが、“失敗しないサービス”を作る最大の近道です。
